一度惚れた客は必ず戻ってくる - 韓国コスメNo.1の動画コマース WOMANSTALKインタビュー

月150万人のアクティブユーザー、リピート率80%のWOMANSTALKインタビュー

「韓国初SNS動画コマース」「韓国初オンライン・ツケ払いシステム導入」

これらの名を冠するのが、サービス開始からわずか2年足らずで月150万人以上が来店し、80%のリピート率を記録しているコスメEC、WOMANSTALK(ウーマンストーク)です。

WOMANSTALKが始めた「動画コマース」は、SNSで動画コンテンツを使って商品を販売します。従来のイメージ広告より、コンバージョン率が8倍ほど高いと言われる、革新的なマーケティング手法なんです。

インタビューでオフィスを訪れると、真ん中にある「左心室」という会議室に案内されました。心臓の中でやるインタビューなんて! ベンチャーの活気あふれるオフィスの雰囲気も相まって、なんだか不思議な気持ちになりました。

今回は動画コマース市場でWOMANSTALKを成長させてきた戦略とは何なのか、企画とマーケティングを担当するペク・ソヨンさんイ・ミンジさんにお話を伺いました。

WOMANSTALKは、2016年2月「韓国初オンラインビューティーEC」を掲げサービスを開始した(出典:WOMANSTALK

10人中8人のお客様が再訪問する「感動体験」を届ける❤

近頃SNSでの動画広告をよく目にするようになりました。動画広告が増える理由は何でしょう?

ペク:動画広告経由だとコンバージョン率が高いというのが一番大きな理由です。弊社の場合、動画広告が静止画広告に比べ、コンバージョン率が2倍から20倍高くなっています。このことから、多くの企業が動画コマース市場に参入してきているのだと思います。

20倍なんてすごいですね!確かに私も魅力的な動画でボタンをポチっとした一人です(笑)

:動画が高いコンバージョン率を叩き出せるのは、動画コンテンツの持つ強いストーリーテリングの力が商品に対するお客様の期待値を上げてくれるからです。ただ一方で、ハードル上がったぶん、実際の顧客体験が良くない場合、お客様を失望させてしまう危険性もあります。動画コマースで注意すべき点です。

魅力的な動画がかえってお客様を失望させ、離脱させてしまうことがあるということですね。

:だから、リピート率が大事なんです。リピートは、お客様が動画を見て期待したことを、実際に経験できたときにこそ生まれるものです。動画コマースは、コンバージョン率はもちろん、リピート率にも気を配らなくてはいけないんです。弊社でも大事な指標として捉え、チェックを欠かしません。現在、WOMANSTALKはサービス利用者の10人中8人の方がリピーターです。

明るくエネルギッシュなペク・ソヨン チーム長(左)、イ・ミンジ チーム長(右)(出典:WOMANSTALK

リピート率80%という数字は、一般的なECサイトに比べても非常に高いですね*。WOMANSTALKならではのコツはあったりしますか?

ペク:従来のコスメブランドが芸能人を起用してカッコ良くイケてるイメージを演出していたとすれば、SNS動画コマースは、身近な近所のお姉さんがド直球なコミュニケーションをするイメージのほうが効果的なんです。これは友達同士で情報を交換することが一般的なSNSの特性によるものです。動画コマースは、友だちのようにお客様と信頼関係を築くことが非常に大事なんです。

動画がこんなにぶっちゃけちゃっても...良い?!

ド直球なコミュニケーションとは、具体的にどういうことでしょうか?

:弊社では、動画クリエイターが商品をレビューする時には、実際に使った正直な感想のみを伝えることが基本のルールとなっています。完璧な商品であることをアピールする動画を作るより長所と短所すべてを伝えるようにしているんです

WOMANSTALKのレビュー動画はクリエイターが実際に使用したときの感想だけが対象となっている(出典:WOMANSTALK/翻訳:ZOYI)

商品の欠点まで言ってしまうと、商品の魅力が伝わりづらくなってしまうのでは...?

ペク:そこが面白いところなのですが、実はそうでもないのです。多くの企業が勘違いしている点ですが、お客様もバカではないんです。どんな商品にも長所と短所があるということはご存知なので。実際、私たちが実施したアンケート結果でも、完璧な商品を求めているのではなく、自分が重視する長所を持つ商品を求めているということが分かりました。

なるほど。動画はどのように制作しているのでしょうか?

:「このコスメは化粧崩れしやすいけど、発色は最高です!」などのように、欠点も伝えつつメリットを強調します。お客様も期待値が高すぎない状態で商品を購入するため、再訪問や再購入に繋がる確率が高くなるんです。

正直に伝える動画が、お客様から支持されるということですね。

:その通りです。面白い話があるんですが、韓国では一時期、ファンデーションのカバー力をアピールするために、ファンデを塗ってタトゥーを消すというパフォーマンスの動画広告が流行った時期がありました。ただ、すべてがという訳ではありませんが、大抵のファンデはそんな塗り方をすると厚化粧になってしまうんです。それだとファンデの本当のレビューにならない。そこで、それぞれのファンデを適量に使った場合の比較レビュー動画を作成しました

一部のお客様からは、タトゥーも残ったままだし、全くカバーできていないのではと言われましたが、他のお客様がこれが自然なファンデーションだとフォローして下さいました。炎上したおかげで、広告効果も大きくなりました。最終的に、美容コミュニティで影響力のある方々が、フォローのコメントを書いてくださったことで炎上騒ぎも自然に収まりました。

レビュー動画は、偽りなく正直に伝えるのがWOMANSTALKの戦略

百聞も一チャットに如かず💘

WOMANSTALKアプリをひらいた瞬間、真っ先に「胸キュンチャット」が目に入りました。リアルタイムのチャット機能をこうして前面に押し出したのはなぜでしょう?

ペク:動画コマースは、SNSが主なチャネルなので若い層のお客様が多いです。そのためか、商品に関して聞きたいことも多いようです。例えば、配送が一日遅れるだけでも連絡があったり、広告のモデルが使っている商品はどれなのかなど、問い合わせを入れてくださる方が多いです。このような質問にリアルタイムでお答えするため、チャットを前面に押し出しています。

WOMANSTALKはチャットを使ってお客様とのコミュニケーションを積極的に作り出している

アプリ上で目立つところにチャットボタンがあるので相談しやすくて良いですね。🙂

ペク些細なことでもお客様が気軽にお問い合わせできるようにすることが大切です。動画で商品情報をいくら伝えたとしても、やっぱり伝えきれない点はありますので。こういったところは、早く解消してさしあげるに越したことはありません

問い合わせをリアルタイムで対応することには大きなメリットがあります。情報がお客様に早く伝われば伝わるほど、お客様がお悩みになる時間も短くなります。お客様のお悩みの点をできるだけ早く解消し、商品を購入するか迷う時間が短縮するよう努力しています。悩みなくスッキリした気持ちでショッピングを楽しめたという記憶はリピートに繋がります

動画で得られなかった情報を、人が補うということですね。

:アフターサービスの面でも多くのメリットがあります。お怒りのお客様にもリアルタイムに対応することで、円満に解決できる確率が高まります。WOMANSTALKは、接客チャットにキュンちゃんというキャラクターを使っているのですが、可愛いキュンちゃんが友だちのように対応すると、お客様の態度もすぐに柔らかくなります。お話した通り、お客様は完璧なものを求めているわけではありません。たとえ商品やサービスにミスがあったとしても、お客様の言葉にすぐに耳を傾け、迅速な対応ができれば、ブランドに好感を覚えリピートして下さるのです。

キュンちゃんは四半期ごとにデザインを更新し、可愛さを追求している(出典:WOMANSTALK / 翻訳:ZOYI)

チャットで親近感を生み出してお客様との関係作りの機会を作っているのですね

:そうです。「胸キュンチャット」でお客様と繋がっていることは、商品にも大きな影響を与えています。普段だったら我慢して見過ごしてしまうような商品やサービスに関する改善のお願いも、親近感を抱いているキュンちゃんには言いやすいようです。このような問い合わせは、お客様のサービス体験から生まれたニーズであるため、商品にすぐ反映されることが多いです。「ツケ払いの日にち指定サービス」や、「よくあるお問い合わせ」のUIを画面上部に移動させたこともCSチームから商品・サービスに反映させたケースです。

問い合わせが増えると、業務の負担になったりしませんか?

:接客チャットを導入して、業務量が電話や掲示板応対に比べて大きく増えてるわけではありません。電話だと複数名のお客様を同時に対応できませんが、接客チャットだと可能です。また、チャットだと会員情報を閲覧しながら対応できるので、お客様情報を伺う手間が省けます。お客様のオンライン状態を確認し、オンラインのお客様を優先的に対応することもできるので、優先順位の判断も容易に行えるようになりました。

WOMANSTALKは接客チャットに会員情報を連動させ、お客様が現在見ている商品のURLやその状況を確認している(出典:Channel.io)

ツケ払いの導入:お母さんですらここまで私を信じてくれなかったのに(´;ω;`)!💘

最近導入されたツケ払いサービスも大変興味深いのですが、お客様が買掛金を払わないと損になるのではないでしょうか?

ペク:オンラインツケ払いは、今までお客様から受けてきた信頼に応えなければという想いから着想を得ました。未払いによる損よりも、WOMANSTALKがお客様を信頼した時に得られる利益がもっと大きいと考えています。私たちがお客様を信頼するぶん、お客様もWOMANSTALKをもっと信じてくれるはずだと確信したからです。実際、ツケ払いの90%以上はきちんと支払われましたし、売上げも50%向上しました。

売上げが50%も上がったとは...素晴らしいですね!売上げ増加の要因は何だったのでしょうか?

ペク:お客様のなかには、金銭的に余裕がなく、WOMANSTALKのタイムセールでもなかなか購入できないという方がたくさんいらっしゃいます。給料日が近くても、タイミングが合わなかっただけで商品をお買い求めできないのです。このような状況に置かれているお客様を、まず私たちが信じることで、購入意思があるお客様のリピート率を高められるだろうと考えました。

ツケ払いの限度額を増やしていく面白さがリピート率と客単価の向上に貢献している(出典:WOMANSTALK / 翻訳:ZOYI)

キャッシュフローの問題で購入できなかったお客様が、購入できるようになるのですね。

客単価が上がったのも売り上げに多く貢献したと思います。WOMANSTALKのツケ払いは、まず5千円から始まり、掛け金を支払うと1.5倍ずつ上がる仕組みになっています。ツケ払いの限度額を上げていく面白さが、ゲームでレベルupさせていく面白さにも似ているそうです。初めてツケ払いをされるときは、掛け取引というサービス自体に面白さを感じ、5千円を全て使ってくださる方が多いです。おかげさまで、WOMANSTALKがお客様に伝えたかった信頼が、より多くのリピートと高い客単価に繋がってきているため、とても嬉しいです。

WOMANSTALKの成長の裏には、クオリティーの高い動画とそれ以上の戦略があったのですね。WOMANSTALKのこれからのビジョンは何でしょうか?

ペク「韓国のすべてのコスメブランドを世界で認められるものにする」ことが弊社のビジョンです。WOMANSTALKの自社ブランドである「韓国美女シリーズ」は、戦略的なマーケティングとブランディングの結果、海外で10万個以上お買い上げいただきました。韓国の多くの中小規模コスメブランドも、優れた戦略があれば海外で人気を得られると思います。

インタビューを終えて

多くの企業が動画コマースの高いコンバージョン率に注目するなか、韓国初の動画コマースWOMANSTALKは、ひたむきに「お客様重視」を徹底してきました。小売り業界が成長するためには「お客様オタク」になるべきだと教えてくださったWINGEATのインタビューを思い出しました。

インタビューを行った「左心室」の会議室から出てくると、右側に位置する「右心室」でホワイトボードを使って熱く議論するWOMANSTALK社員たちの姿が目に入ってきました。そのエネルギッシュな姿から、どうして会議室の名前を「心臓」にしたのか理解できた気がします。

お客様を満足させるため、ツケ払い・接客チャットなど、新たなアイデアを果敢に実現させていくWOMANSTALK。彼らが、次に挑戦する新たなアイデアが気になるところです。

*一般的なECサイトのリピート率は20~40%といわれています(ZOYI調べ)

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